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「ああ、そうだ。変にそこいらのドアを開けない方がいいよ。」
きっと見たくないものがそこにある。
ヴァッシュが目指しているのはコクピットだ。
そこに至るまで、通路の脇に幾つか扉がある。
「結局お前が探しとるのは何なん。」
苛立ちの混ざる声でウルフウッドが尋ねた。
「あれ?言ってなかったっけ。ブラックボックスだよ。」
まあ、ある場所は大体分かってるんだけど、今までそこにたどり着けた事がないんだよね。
と半ば独り言のように付け加えると、ヴァッシュは更に足を奥へと踏み入れた。
「そもそも、僕以外の誰かとここに入るような事無かったし。」
そして独りでは、この空間の重さに耐えきれずに逃げてしまっていた。
「君ってさー。僕に厳しいよね。」
「何いうとんや。」
こいつが傍に居ると、いつだって逃げ場を失う。
「ワシはグッダグッダしとるんが好かんだけや。せやからオドレ見とるとイライラする。」
「心外だなあ、僕は君を見てると思い切りが良すぎてハラハラするよ。」
まあそれは、生きている長さの違いかもしれない。
きっと見たくないものがそこにある。
ヴァッシュが目指しているのはコクピットだ。
そこに至るまで、通路の脇に幾つか扉がある。
「結局お前が探しとるのは何なん。」
苛立ちの混ざる声でウルフウッドが尋ねた。
「あれ?言ってなかったっけ。ブラックボックスだよ。」
まあ、ある場所は大体分かってるんだけど、今までそこにたどり着けた事がないんだよね。
と半ば独り言のように付け加えると、ヴァッシュは更に足を奥へと踏み入れた。
「そもそも、僕以外の誰かとここに入るような事無かったし。」
そして独りでは、この空間の重さに耐えきれずに逃げてしまっていた。
「君ってさー。僕に厳しいよね。」
「何いうとんや。」
こいつが傍に居ると、いつだって逃げ場を失う。
「ワシはグッダグッダしとるんが好かんだけや。せやからオドレ見とるとイライラする。」
「心外だなあ、僕は君を見てると思い切りが良すぎてハラハラするよ。」
まあそれは、生きている長さの違いかもしれない。
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何か急にJOJOの承花が書きたくて仕方ない。
あと、ここのトコ忍たまの再ブームきてる。
…生活が一変したせいなのかなー。
あと、ここのトコ忍たまの再ブームきてる。
…生活が一変したせいなのかなー。
実はちょっと前から電子書籍で買ってた血界戦線。
怖くて読めずに放置してた。
新生活に入るにあたり、そのバタバタの勢いで読んでみた。
…ごめん面白かったけどなんかそういうのきっと駄目だと思うんだけど、なんかいろんなトコで「子ニコ!?」「ウルフウッド!!??」「ドミニク??」ってなってしまって、凄い悲しくなった…。
いや分かってる。駄目なのは私だって分かってる。
結局TRIGUNは内藤さんにしか描けないんだよねと当たり前の事を今さらながらに思った。
サルは可愛かったし、面白かったよ!?
あれ?でも私がむかーし読んだ、読み切りのヤツの話が載ってない。
怖くて読めずに放置してた。
新生活に入るにあたり、そのバタバタの勢いで読んでみた。
…ごめん面白かったけどなんかそういうのきっと駄目だと思うんだけど、なんかいろんなトコで「子ニコ!?」「ウルフウッド!!??」「ドミニク??」ってなってしまって、凄い悲しくなった…。
いや分かってる。駄目なのは私だって分かってる。
結局TRIGUNは内藤さんにしか描けないんだよねと当たり前の事を今さらながらに思った。
サルは可愛かったし、面白かったよ!?
あれ?でも私がむかーし読んだ、読み切りのヤツの話が載ってない。
いやいいんだけど。
明日から雨らしい。
…。
そういえば前回も到着翌日雨だったな…。
傘はあるんだけどね…。
よりによって一番歩き回る日に!!!
明日から雨らしい。
…。
そういえば前回も到着翌日雨だったな…。
傘はあるんだけどね…。
よりによって一番歩き回る日に!!!
火に燃料をくべるために荷物に手を伸ばすと、ふと傍らに見慣れた影がある事に気が付く。
「ああ、ごめん、」と言いながら彼の邪魔にならないように荷物を退ける。
聞こえているのか居ないのか、あいまいな返事をウルフウッドは返す。
「キミも飲むかい。」
ウイスキーボトルを差し出すと、ん、と軽く答えてウルフウッドはそれを受け取った。
彼は自分がこの世に居ない事を時々忘れてしまうようで、ヴァッシュが独りで居る時に、こんな風に姿を現す事がある。
最初こそ驚いたし、生きていたのかと喜びもした。
けれど、彼に触れようとするとヴァッシュの指先は空を切り、それに気が付いたウルフウッドが、ああ、という顔をして消えてしまった。
後には何も無かったかのような静けさと、ヴァッシュを取り囲む夜の闇と星空だけが残された。
ヴァッシュは、こんな事もあるんだなと、その状況をそのまま飲みこむ事にした。
恐怖は感じなかった。ただ、彼に触れられなかった指先が少し寂しいなと思っただけだった。
当たり前に栓を開けてウルフウッドはアルコールを口にする。
直接触れる事は出来ないけれど、こうやって何かを手渡す事は出来る。
傍から見たらどんな風にこのウイスキーボトルは見えるんだろう。
自分以外にも、ウルフウッドの姿は見えるのだろうか。
けれどヴァッシュ以外の人間が居る時に、ウルフウッドが現れた事は無かった。
他愛のない一言二言を交わして、そして空が白む頃にはいつの間にかウルフウッドは消えている。
彼が居た筈の所には、ウイスキーボトルが転がっている。
中の液体は残ってはいたが、アルコールはすっかり飛んでいた。
心残りがあるのかな、とヴァッシュは思う。
けれど聞かない。
時折訪れるウルフウッドとの時間はとても穏やかなものだ。
こんな風にずっと酒を飲みかわしたかったんだ。平和な世界の中で。
だからもしかしたら、時折訪れる彼は、ウルフウッドではなくてヴァッシュの脳が作り出した幻覚なのかもしれない。
心残りがあるのはウルフウッドではなくヴァッシュなのかもしれない。
まあでも、どちらでもいいや、とヴァッシュは立ち上がる。
すっかりとアルコールの抜けた液体に口をつけ、一気に飲み干すと、前を見た。
一番目の太陽は上りきり、そろそろ二番目の太陽が上がり始める頃だ。
騒がしい一日がまた始まる。
そこに彼は居ない。
懐かしい顔がどんどん大人になっていく。
ウルフウッドの守った子どもたちの一人に出会った。
あの孤児院のほとんどの子ども達は既にこの星を発ったらしいが、数名は残る事を決めたそうだ。
彼女はその一人だった。
ニコ兄、と優しい顔で語る彼女の話に胸の底が温かくなる。
君の残した灯があちこちにある。
いつまでも、アイツの事を覚えててくれるかな。
口に出そうとしたが、言う必要が無い事に気が付いた。
まるで自分がウルフウッドの特別であるかのような言い方だから。
彼にとって特別だったのは、むしろこの子達だったのに。
「いつも、アイツには助けられていたな。」
だから僕は忘れない。ヒトと対等だったことなんて、それまでも、そしてこれからも、もう二度とない事だろう。
そして今も助けられている。
「迷惑をおかけしてたんじゃないですか?」
「いや、全然。いつもこっちが迷惑をかけていて、叱られていたよ。」
嫌な思いもたくさんした。
それこそ他の人達としたことが無いような言い争いもした。
それがとても懐かしい。
「ありがとう。今日は君と話せて良かった。」
「こちらこそ、ありがとうございます。」
彼女はゆっくりと頭を下げ、そして自身の暮らしへと戻って行った。
出て来てくれるかな、と期待した夜に限って出てこない。
待ち人は、そんなものだ。
その夜も、ヴァッシュは一人で過ごした。
元々この星は人が住むには適さない。
時が経つにつれ、確実に人口は減少していった。
元々、移民を目的としたプロジェクトの参加者と、その子や、孫だ。
母星の協力もあり、若い者たちから徐々に他の星へ移動して行った。
街を見つけても、そこが廃墟と化している事もままある。
活気に満ちていた頃を知っているヴァッシュは、それを見て時の移ろいを感じる。
目的の街が空っぽだった時、ヴァッシュはそこに残された水や食料を集め、穴の開いた屋根の下で眠る。そして地図に×をして、翌日には出発する。
その日もそんな風にして時間を過ごした。
知っている宿の、泊まったことのある部屋の床に転がって、毛布にくるまって、窓から覗く星空を見る。
早く眠りにつきたいと、ヴァッシュは瞼に力を込めた。
次の日も晴れで、バイクの調子もすこぶる良い。次の街まで三日かかる筈だが、もしかしたら一日早く着くかもしれない。
けれど、そこに人は居るだろうか。
もうずいぶん、人と話をしていない。
そうなってから、ウルフウッドが現れる頻度が上がったような気がする。
その夜も、彼は現れた。
ずっとこの時間が続けばいいのにと祈りながら、ウルフウッドに、彼がもう居ない事を思い出さなせいように、他愛ない話を繰り返す。
「オドレ、こないだも同じ話しとったなあ。」
「そうだっけ?」
パチンと燃料の不燃物が跳ねた。
ウルフウッドの中で時間は繋がっているらしい。
「…。」
「どないした。」
「いや、なんでもないよ。」
もしかしたらもうこの星の上に居るのはヴァッシュ一人なのかも知れない。
それでも、ここを離れがたいのは、本当に大切なものがすべてここにあったからだ。
「お。」
ウルフウッドが突然、ヴァッシュの顔を覗き込むと、ヴァッシュの前髪を一房、手に取った。
「何、若作りしとん。」
「…えっ?」
前髪を掴むウルフウッドの手に、ヴァッシュは恐る恐る指先を伸ばした。
ぼんやりと霞んで見える自分の前髪は、確かに明るい色で。月明かりを反射して輝いていた。
伸ばした指は、ウルフウッドの手の甲に、確かに触れた。
意外な事に、指先に温かさを感じた。
「ウルフウッド…。」
力を込めて、ウルフウッドの手を掴んだ。
「なんや、痛い、痛いて。」
そのままウルフウッドの身を引き寄せて、抱きしめた。
世界は静かだった。
ただ、燃料の燃える音だけがしていた。
「ウルフウッド、ウルフウッド、ウルフウッド。」
「せやから痛いて。ええ加減離せや。」
ああ、温かい。
もう、泣いてもいいんだろうか、とヴァッシュは思った。
視界の隅に、足元に転がっている自分の姿をみとめたが、そんなことはどうでも良かった。
「ウルフウッド…、ねえ、次はどの街に行こうか。」
星空はキラキラと輝いていたけれど、ヴァッシュはそれを見上げなかった。
ただ、笑って、涙を流しながら目を閉じて。
ウルフウッドの肩口に、顔を沈めた。
「ああ、ごめん、」と言いながら彼の邪魔にならないように荷物を退ける。
聞こえているのか居ないのか、あいまいな返事をウルフウッドは返す。
「キミも飲むかい。」
ウイスキーボトルを差し出すと、ん、と軽く答えてウルフウッドはそれを受け取った。
彼は自分がこの世に居ない事を時々忘れてしまうようで、ヴァッシュが独りで居る時に、こんな風に姿を現す事がある。
最初こそ驚いたし、生きていたのかと喜びもした。
けれど、彼に触れようとするとヴァッシュの指先は空を切り、それに気が付いたウルフウッドが、ああ、という顔をして消えてしまった。
後には何も無かったかのような静けさと、ヴァッシュを取り囲む夜の闇と星空だけが残された。
ヴァッシュは、こんな事もあるんだなと、その状況をそのまま飲みこむ事にした。
恐怖は感じなかった。ただ、彼に触れられなかった指先が少し寂しいなと思っただけだった。
当たり前に栓を開けてウルフウッドはアルコールを口にする。
直接触れる事は出来ないけれど、こうやって何かを手渡す事は出来る。
傍から見たらどんな風にこのウイスキーボトルは見えるんだろう。
自分以外にも、ウルフウッドの姿は見えるのだろうか。
けれどヴァッシュ以外の人間が居る時に、ウルフウッドが現れた事は無かった。
他愛のない一言二言を交わして、そして空が白む頃にはいつの間にかウルフウッドは消えている。
彼が居た筈の所には、ウイスキーボトルが転がっている。
中の液体は残ってはいたが、アルコールはすっかり飛んでいた。
心残りがあるのかな、とヴァッシュは思う。
けれど聞かない。
時折訪れるウルフウッドとの時間はとても穏やかなものだ。
こんな風にずっと酒を飲みかわしたかったんだ。平和な世界の中で。
だからもしかしたら、時折訪れる彼は、ウルフウッドではなくてヴァッシュの脳が作り出した幻覚なのかもしれない。
心残りがあるのはウルフウッドではなくヴァッシュなのかもしれない。
まあでも、どちらでもいいや、とヴァッシュは立ち上がる。
すっかりとアルコールの抜けた液体に口をつけ、一気に飲み干すと、前を見た。
一番目の太陽は上りきり、そろそろ二番目の太陽が上がり始める頃だ。
騒がしい一日がまた始まる。
そこに彼は居ない。
懐かしい顔がどんどん大人になっていく。
ウルフウッドの守った子どもたちの一人に出会った。
あの孤児院のほとんどの子ども達は既にこの星を発ったらしいが、数名は残る事を決めたそうだ。
彼女はその一人だった。
ニコ兄、と優しい顔で語る彼女の話に胸の底が温かくなる。
君の残した灯があちこちにある。
いつまでも、アイツの事を覚えててくれるかな。
口に出そうとしたが、言う必要が無い事に気が付いた。
まるで自分がウルフウッドの特別であるかのような言い方だから。
彼にとって特別だったのは、むしろこの子達だったのに。
「いつも、アイツには助けられていたな。」
だから僕は忘れない。ヒトと対等だったことなんて、それまでも、そしてこれからも、もう二度とない事だろう。
そして今も助けられている。
「迷惑をおかけしてたんじゃないですか?」
「いや、全然。いつもこっちが迷惑をかけていて、叱られていたよ。」
嫌な思いもたくさんした。
それこそ他の人達としたことが無いような言い争いもした。
それがとても懐かしい。
「ありがとう。今日は君と話せて良かった。」
「こちらこそ、ありがとうございます。」
彼女はゆっくりと頭を下げ、そして自身の暮らしへと戻って行った。
出て来てくれるかな、と期待した夜に限って出てこない。
待ち人は、そんなものだ。
その夜も、ヴァッシュは一人で過ごした。
元々この星は人が住むには適さない。
時が経つにつれ、確実に人口は減少していった。
元々、移民を目的としたプロジェクトの参加者と、その子や、孫だ。
母星の協力もあり、若い者たちから徐々に他の星へ移動して行った。
街を見つけても、そこが廃墟と化している事もままある。
活気に満ちていた頃を知っているヴァッシュは、それを見て時の移ろいを感じる。
目的の街が空っぽだった時、ヴァッシュはそこに残された水や食料を集め、穴の開いた屋根の下で眠る。そして地図に×をして、翌日には出発する。
その日もそんな風にして時間を過ごした。
知っている宿の、泊まったことのある部屋の床に転がって、毛布にくるまって、窓から覗く星空を見る。
早く眠りにつきたいと、ヴァッシュは瞼に力を込めた。
次の日も晴れで、バイクの調子もすこぶる良い。次の街まで三日かかる筈だが、もしかしたら一日早く着くかもしれない。
けれど、そこに人は居るだろうか。
もうずいぶん、人と話をしていない。
そうなってから、ウルフウッドが現れる頻度が上がったような気がする。
その夜も、彼は現れた。
ずっとこの時間が続けばいいのにと祈りながら、ウルフウッドに、彼がもう居ない事を思い出さなせいように、他愛ない話を繰り返す。
「オドレ、こないだも同じ話しとったなあ。」
「そうだっけ?」
パチンと燃料の不燃物が跳ねた。
ウルフウッドの中で時間は繋がっているらしい。
「…。」
「どないした。」
「いや、なんでもないよ。」
もしかしたらもうこの星の上に居るのはヴァッシュ一人なのかも知れない。
それでも、ここを離れがたいのは、本当に大切なものがすべてここにあったからだ。
「お。」
ウルフウッドが突然、ヴァッシュの顔を覗き込むと、ヴァッシュの前髪を一房、手に取った。
「何、若作りしとん。」
「…えっ?」
前髪を掴むウルフウッドの手に、ヴァッシュは恐る恐る指先を伸ばした。
ぼんやりと霞んで見える自分の前髪は、確かに明るい色で。月明かりを反射して輝いていた。
伸ばした指は、ウルフウッドの手の甲に、確かに触れた。
意外な事に、指先に温かさを感じた。
「ウルフウッド…。」
力を込めて、ウルフウッドの手を掴んだ。
「なんや、痛い、痛いて。」
そのままウルフウッドの身を引き寄せて、抱きしめた。
世界は静かだった。
ただ、燃料の燃える音だけがしていた。
「ウルフウッド、ウルフウッド、ウルフウッド。」
「せやから痛いて。ええ加減離せや。」
ああ、温かい。
もう、泣いてもいいんだろうか、とヴァッシュは思った。
視界の隅に、足元に転がっている自分の姿をみとめたが、そんなことはどうでも良かった。
「ウルフウッド…、ねえ、次はどの街に行こうか。」
星空はキラキラと輝いていたけれど、ヴァッシュはそれを見上げなかった。
ただ、笑って、涙を流しながら目を閉じて。
ウルフウッドの肩口に、顔を沈めた。